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組織DX〜人的資本をどのように可視化するか〜

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皆さん、こんにちは。VISITS Technologiesの代表の松本です。

今日は

についてお話ししたいと思います。


そもそも「人的資本」って何?

人を「利益や価値を生み出す源泉(=資本)」と捉える考え方です。
企業活動においては利益や価値を生み出すのは見た目上では事業本体であり、それを支える社員の給与は人件費として計上されるため、これまでは人をコストとして捉えるのが一般的でした。
しかし、事業や事業から生み出される利益や価値の源泉は、それらの事業を生み出し適切に運営する「人」であるという考え方に立てば、人を資本として捉えるのが適切です。
人を資本として捉えた場合には、社員の能力を高めるための社員教育等は将来価値を生み出すための「投資」とみなすことができます。
近年は人的資本という考え方が主流になるにつれ、世の中的にも「社員を会社にとって大切な資本と考え、社員の能力を高めるための投資(=教育)を積極的に行っていきましょう」という機運が高まっています。

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人的資本の開示

人的資本が注目され始めた理由として

  • 企業価値における無形資産比率の向上

  • ESG投資の拡大

が挙げられます。まず世の中の大きな変化として、企業の資産としての「ヒト・モノ・カネ」のうち企業の市場価値の構成要素としての「ヒト」の比率が大きくなっています。
実際、S&P500の企業を例にとると、1975年時点では企業価値の83%が物的・財務的資産によって占められていましたが、2009年時点ではその比率が19%まで低下し、81%が無形資産によって占められているというデータがあります。
無形資産に含まれるものは、研究力、著作権、アイデアを生み出す力、蓄積された知見等であり、その多くは「ヒト」に関する資産です。
そういった現状を踏まえると、もはや投資家は開示されている財務情報だけを見ても企業の「本当の価値」を判断することは出来ません。
企業の本当の価値を判断するためには、非財務情報である「人的資本」を開示してもらう必要があります。
このような背景から、欧米では人的資本の開示を義務化する流れが活発となり(米国では 2020年8月に上場企業に対し開示を義務化する規制を追加)、日本もそれを追いかける形で義務化を進めています。
また、人的資本に加え、気候変動対応、ガバナンスの整備が企業の持続可能性(サステナビリティ)に大きな影響を与えるため、多くの投資家はこれらの要素を合わせたESG(環境、社会、ガバナンス)という観点から投資判断を行っています。
この中で人的資本は「S」に含まれ、企業としてはESGに関する開示を行わないと、市場から資金を調達できないという状況(=企業の存続に大きな影響を与える)になってきているため、開示は多くの上場企業において最優先に取り組むべき事項として認識されています。

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テクノロジーを活用した人的資本の可視化

では、どのような項目を開示すれば良いのでしょうか。
開示項目は、開示されていないとマイナスになる「守りの項目」と開示されているとプラスになる「攻めの項目」の2つに大きく分けられます。
守りの項目とは、人材の多様性、流動性、勤怠、働き方、健康、安全などに関する情報です。
具体的には、女性管理職比率、男性育休取得率など多くが定量化できるものなので、これらの情報に関する管理フローさえ社内で整えれば開示は可能です。
一方で、攻めの項目とは、まさに利益や価値を生み出す源泉としての「人的資本」に関するものです。
開示目的に照らし合わせると、「いかに自社には価値を創造できる人材がいるのか」「価値創造人材の育成を行っているか(&それが有効か)」を投資家が納得するような形で開示する必要があります。
多くの企業がこれらの開示に際して苦心していますが、その理由はこれらの項目は客観的に定量化するのが難しいからです。
しかし、VISITS formsを活用すればそれが可能となります。

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以下ではVISITS forms を使った「人的資本の可視化」のステップを具体的に説明します。

価値創造人材の存在をアピールするためには、まず「価値創造人材の要件」を定義する必要がありますが、価値創造人材の定義は業界や自社を取り巻く環境によっても異なります。
特に、様々な業界において今後DXが進んでいくことを考えると、業界として今後どのようなビジネスモデルの変革が起こるか、その中で自社はどうあるべきか(ビジョン)、そこで求められる人材はどのような人材か(人材要件)という流れで全体を俯瞰しなければ、価値創造人材の要件定義はできません。
この流れに沿ってVISITS forms を活用すると、社員や社外の専門家に以下のような項目について回答してもらうことになります。

「今後、〇〇業界(自社の業界)にはどのようなビジネスモデルの変革があると思いますか、テクノロジーの進歩や顧客の行動変容の観点から回答してください」
「その中で当社はどうあるべきか(ビジョン)、ビジネスモデルや組織のあり方の観点から回答してください」
「そのビジョンを実現するためにはどのような人材が必要か、経験、スキル、マインドセットの観点から人材要件を回答してください」

フィードバックセッションでは、他の人の回答に対して

「このようなビジネスモデルの変革が〇〇業界で起こると思いますか?」
「当社はこのような会社を目指すべきだと思いますか?」
「このような人材を採用・育成することで当社のビジョンは実現できると思いますか?」

という評価軸に沿って互いの意見を評価してもらいます。

VISITS forms では、収集した回答データを独自アルゴリズム(日米特許取得済)が解析し、各回答の「信頼性」をスコアリングします。
その信頼スコアを元に、

  • どのようなビジネスモデル変革が自社業界で起こる可能性が高いか

  • 当該変革が進むと仮定した中で当社が描くべき自社のあり方(ビジョン)

  • 当該ビジョンを実現するための人材要件

が順に可視化されます。

ここまで可視化できれば後は簡単です。
自社社員にどのようなスキル・経験を持っているかアンケートを取ったり、人材要件にマッチするスキル・経験・マインドセットを持っている社員が周りにいるか他己推薦させれば、求める人材要件にマッチする社内の人材が浮かび上がってきます。
浮かび上がってきた人材を最適配置することで組織のパフォーマンスが向上するだけでなく、自身にマッチした業務を与えられることで社員のモチベーションは向上し離職防止にも繋がります。
さらに、業務に必要なスキル・経験・マインドセットが不足している社員に対して必要な研修プログラムを作成し育成することで、目指すべき自社のビジョンを実現できるだけでなく、必要な人的資本投資を行っていることを対外的にもアピールできます。
このように人的資本の開示には、自社の成長性と持続可能性を高めるために「なぜそのような人材が自社に必要なのか」、投資家を納得させる明確なストーリーを描くことが必要不可欠です。
VISITS forms を活用すれば、これまで難しかったこのようなストーリー作成を簡単に行うことができます。

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尚、自社のビジネスに最適な価値創造人材という観点からは上記のようなプロセスを経ることは不可欠ですが、イノベーションやDX推進のための汎用的な価値創造能力という観点からは自社社員の「デザイン思考力の高さ」をアピールするという方法もあります。
富士通や日立といった大手企業が軒並みデザイン思考を社員教育に組み込み、その活動を社外にアピールしているのはこのためです。
因みに、当社の提供する「デザイン思考テスト」を活用すれば客観的にデザイン思考力をスコア化できるため、自社社員のスコアを元に人材抜擢、配置、育成に活かしたり、スコアを人的資本の開示に活用することができます。