VISITS forms活用事例

VISITS formsの活用で新規事業アイデア選定における意思決定を効率化

作成者: トヨタ自動車株式会社|2024-01-17

実施内容

新規ビジネスアイデアの創出・選定におけるVISITS formsの使用

実施期間

2019年

課題・背景

自社で保有する数多くの技術活用において、市場ニーズへのマッチや実現性のより高い物を算定するためアイデア出しと評価を科学的に評価できるVISITS formsの導入

実施結果

  • 1ヶ月のプロジェクト期間中に事業アイデアが3つ生まれ、うち1つは実際にPoC(概念実証)が開始
  • アイデア出し〜PoC開始までのプロセスが効率化された
 

トヨタ自動車の新事業企画部における新規事業案創出に、VISITS formsを活用したプロジェクトが採用されました。この取組によって、実際にいくつかのアイデアでPoC(概念実証)が走り始めただけでなく、そのプロセスが効率化されたという今回の取組について、本プロジェクトの中心人物である新規事業企画部 事業創造グループ長の大石氏にお話をお伺いしました。

 

人の目で行っていた数百個のアイデアのスクリーニングを、VISITS formsを活用することで効率的かつ妥当性を持って行うことが出来た

−今回VISITS formsを導入するに至った背景を教えてください。

当部門では、自動車製造領域以外に展開できる新規事業を立ち上げる取組を行っています。トヨタ社では無数とも言えるビジネスの種がある一方で、それを事業化しようとすると、その多さ故に市場のニーズや実現性に対して何が最も良いかというリサーチや戦略の策定に多くのリソースが必要という状況がありました。そのため、アイデアを効率的に出し、その実現価値を自動で可視化することができる点が良いと思い導入を決めました。

導入効果はいかがでしたか?
約1ヶ月弱で、事業アイデアが3件生まれ、そのうちの1件についてPoCが走り始めました。このアイデアのうちのひとつは、VISITS formsの中で評価が高かったアイデアを「統合思考(※)」によって結びつけることで生まれたものです。今までは数百単位のアイデアをどう評価し優先順位付けするかというスクリーニングに非常に時間がかかっていました。その点VISITS formsでは、事前に事業アイデアを参加者全員で出し、その後目利き力を加味した特殊なスコアリング手法で相互評価するというセッションを行うので、妥当性を持って絞り込むことができました。

※過去に誰も組み合わせたことのない複数のニーズ同士を組み合わせることで、アイデアの質を昇華させる手法。デザイン思考のアプローチの1つであり、シュンペーターの言う「イノベーションとは、新結合である」とする考え方を汲んでいる。

 

数ヶ月単位かかっていたアイデアのスクリーニングのフェーズが約1ヶ月まで短縮された

−具体的にどの程度効率化されたのでしょうか? 

アイデア出しから意思決定のプロセスの効率化という点では、市場分析やニーズ調査を含め数ヶ月単位かかっていたスクリーニングのフェーズが、約1ヶ月まで短縮されました。新規事業においては1つ1つのアイデアの作り上げに時間をかける必要性があり、その部分はまだ自動化は難しく人の努力が必要ですが、ある程度妥当性の高いものに絞り導入部分を半自動でクイック&ダーティーに進められる点にVISITS formsの価値を感じています。また、匿名/ 機械的に強制的に優先順位づけしてくれるので “見なくても良い” アイデアや検証項目を検討する時間も省く事が出来ました。

−VISITS formsに更に期待することがあれば教えてください。

社内で複数のアイデアを効率的に選定して行く際に使用するイメージは持てましたが、例えば医療業界の専門知識など業界横断でのニーズをデータベース化していくことが出来たら更に面白そうだと思いました。

−御社の中で今後も活用の機会がありそうでしょうか?

アイデアを事業化するためには、まず何にフォーカスをするかがあり、その後でその種を育てるための調査や戦略立案・推進が必要になります。前者についてはVISITS formsが定期的なスクリーニング手法となる可能性を感じています。今回のワークや実際のプロジェクトから得た知見を通じ、新規事業創出の加速化に繋げていきたいと思います。 

 

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